腸内環境をうんちによって可視化し、健康管理をサポートする腸活アプリ「ウンログ」を運営するウンログ株式会社(東京都渋谷区 代表取締役・田口敬、以下「ウンログ」)は、日本の2大都市である東京都と大阪府に在住のウンログユーザーを対象に「腸内環境に対する意識調査」を実施しました。
また、株式会社オムニヒール代表取締役社長であり、おうちの診療所中野院長、日本うんこ学会会長を務める元消化器外科医の石井洋介医師より、調査結果から読み解ける腸内環境への意識や生活習慣による腸内環境の違いについてのコメントをいただきました。
<調査結果抜粋>
・東京/大阪のほとんどのユーザーが腸活に関心があると回答
おなかの健康に関する課題感は、1位「便秘」、2位「よくおならをする」こと
・腸活をする上で気にしていることとして、
東京・大阪どちらも「無理せずにできること」がトップ
「手間・お金がかからない」ことに対する意識は大阪の方が高い傾向に
実際に、腸活にかけている平均金額は東京の方がやや高い
(東京平均:2,748円, 大阪平均:2,532円)
・腸活の目的は東京/大阪共に「便秘解消」と「体調管理」が上位
大阪の方が便通に関して強く悩みを抱えている人が多い傾向に
・5人に1人が現在住んでいる都道府県の食事の傾向が
便通に悪影響を及ぼしていると回答
その理由として、東京は「野菜が少ない」「コンビニ食が多い」、
大阪は「粉物が多い」「塩分が多い」、と回答する人が多数
・有用菌を摂取する手段の一つであるヨーグルトの摂取習慣に大きな差は見られないも
のの、有用菌のエサとなる食物繊維の摂取については、
大阪が「とても不足している」と回答する人が多い傾向に
・書店に行った時に便意を催した経験がある人の割合は、
東京の方がやや多い傾向に
・東京、大阪どちらも約半数が、
外出の際によく行く「行きつけのトイレ」が存在する
・便通に悩みを持つウンログユーザーでは
しっかりとうんちが出た時の幸福度が、推しのライブやイベントに
参加するときよりも高いことが判明
<調査背景>
ウンログは食文化、言語に地域差があるように、腸内環境やうんちに関しても地域差があるのではないかと考えています。実際に、人口10万人あたりの百寿者の比率が全国平均の約3倍で、長寿のまちとして知られている京丹後市においては、独自の食文化による腸内環境の差異が長寿につながっていると言われています。
そこで今回は、日本の2大都市である東京都と大阪府に在住の方を対象に腸内環境に対する意識調査を実施しました。調査では、腸内環境に関する関心や知識、普段の食事に関しての設問を通して東京都と大阪府の差異を導きます。
本調査を通して地域ごとに最適な解決策の提示やサービスの提供をしていくためのヒントにしてまいります。
<調査概要>
調査方法:WEBアンケート方式
調査方法:ウンログアプリを利用する20~60代男女
有効回答数:東京:446名/大阪:218名
調査実施日:2024年3月18日〜3月24日
調査主体:ウンログ株式会社
東京/大阪のほとんどのユーザーが腸活に関心があると回答
おなかの健康に関する課題感は、1位「便秘」、2位「よくおならをする」こと
(結果)
・健康的な生活を送るにあたっての腸活の重要性は広く浸透し始めており、東京・大阪どちらのウンログユーザーもほとんどが腸活に関心があると回答している。
・また、おなかの健康に関する課題感として最も多かったのが東京・大阪共通で「便秘気味 である」ことだった。次点で割合が高かったのが意外にも「よくおならをする」ことだった。
(石井先生コメント)
腸の状態に関心が高いということはそのまま健康意識が高いといえるでしょう。ウンログユーザーはもともとがかなり自分の身体への感度が高く、健康に関心が高いことが特徴と言えます。
便秘とおならの悩みもウンログユーザーだからという相関によるもので偏りはあると思いますが、実際に便秘やおならのことを人知れず悩んでいる方は多いです。若い方で便秘薬などがあまり効かない便秘や、緊張するとおならが漏れてしまうなどのエピソードの背景には過敏性腸症候群などの病気が隠れていることはあります。腸活のみでは改善しない場合もあるので、「たかが便秘」と考えずに医師への相談も検討しましょう。
腸活をする上で気にしていることとして、
東京・大阪どちらも「無理せずにできること」がトップ
「手間・お金がかからない」ことに対する意識は大阪の方が高い傾向に
実際に、腸活にかけている平均金額は東京の方がやや高い
(結果)
・腸活をする上で気にしていることとして、東京・大阪在住のユーザーの約半数が「無理せずできること」と回答しており継続意識の高さが伺える。
・気にすることの回答順位は東京・大阪で共通だが、大阪在住のユーザーの方が「手軽にできること」「お金がかからないこと」の回答率が高いという差異もあった。
(石井先生コメント)
腸活を“腸内環境を改善するような生活習慣を心がける活動”と定義した場合、てっとり早くお金がかからない方がいいと思うのは納得です。私も楽に健康を手に入れたいです。
ただ、健康というかけがえのない財産を維持するためには、ある程度の投資が必要とも考えられます。ちょっと面倒でも運動をする習慣を身につけたり、健康的な食生活により腸内環境が改善し続けるということで、長期的な腸の健康状態を得ることが出来ると考えると、少しだけ自分のおなかに投資してみても損はしないはずです。
腸活の目的は東京/大阪共に「便秘解消」と「体調管理」が上位
大阪の方が便通に関しての強く悩みを抱えている人が多い傾向に
(結果)
・腸活の目的として、東京では「便秘解消のため」「体調管理のため」が同率で回答率が最も高い結果となった。
・大阪は「便秘解消のため」の回答が最も高く、次に回答率が高い「体調管理のため」と14%の差が出るなど、便秘解消意識の高さが伺えた。
・また、便通に悩みがあるかという質問に対して、大阪の方が「悩んでいる」と回答した 割合が高く、便通に強い悩みを持っていることが分かった。
(石井先生コメント)
体調全般より腸の方が優先度が高いというのは意外でしたが、便秘に悩んでいる人が多いという回答をみて納得しました。人は不調になるまで健康に気が向かないものですが、逆にどこか不調になるとそこのことだけを考えてしまうものです。
痛いところがあると痛いところ以外何も考えられなくなりますよね。
大阪の方の方が便秘のことで悩まれているのも意外でした、会話の場で笑いを取らないといけないというストレスが多かったり、粉物が多い食生活が便秘になりやすい等の土地由来の相関があるんでしょうか。この調査だけで断定することは難しいのですが、興味深い結果です。
5人に1人が現在住んでいる都道府県の食事の傾向が
便通に悪影響を及ぼしていると回答
その理由として、東京は「野菜が少ない」「コンビニ食が多い」、
大阪は「粉物が多い」「塩分が多い」と回答する人が多数
(結果)
・東京/大阪ユーザーのどちらも5人に1人以上が、現在住んでいる都道府県の食事の傾向が便通に悪影響を及ぼしていると考えている。
・その理由として、東京は「野菜が少ない」「コンビニ食が多い」が上位回答となり、大阪では「粉物が多い」や「塩分が多い」が上位回答となった。
・加えて、東京と大阪で回答率に大きな差がある項目として「揚げ物が多い」が挙げられる。大阪では名物である串揚げなどの揚げ物が腸内環境に影響を及ぼしていると考えている人が多いのではないか。
(石井先生コメント)
便通に影響を与える要因は様々ですが、食事は便通に影響を与える要素の一つです。
今回の調査を基軸に考えると、東京のように野菜の摂取量が不足している場合は食物繊維などが足りず便秘につながりやすくなります。油物は下痢を起こしやすいので、翌日に下痢をするなどの経験が多いのかも知れません。
実際には個人個人で食事は異なるため、居住地域ごとに腸内環境を語ることは難しいのですが、食習慣は少なからず便通に影響しているため、健康的にいるためにも食生活を見直しましょう。健康にいい食事はありますかとよく聞かれますが、古来から言われるような1汁3菜で1日3食をきちんと時間通りの食べるというような当たり前の方法が実は最上の方法で、腸だけでなく健康にとっても一番いいことだと考えています。
有用菌がとれるヨーグルトの摂取習慣に大きな差は見られないものの
有用菌のエサとなる食物繊維の摂取については、
大阪ユーザーが「とても不足している」と回答する人が多い結果となった
(結果)
・東京と大阪のユーザーでは、どちらも半数以上が1週間に1回以上ヨーグルトを食べていることが分かった。ここから健康維持や増進に良いビフィズス菌などの有用菌の摂取に対する意識は高いと言える。
・一方で、ビフィズス菌や乳酸菌などの有用菌のエサとなる食物繊維の摂取については、どちらも目標量に対して不足していると回答している人が8割以上で、食物繊維摂取の課題が見えた。
・食物繊維の摂取においても東京と大阪で大きな差は見られないが、「とても不足している」人の割合は大阪の方が多い結果となった。
(石井先生コメント)
便秘や下痢の原因を一つに絞るのは難しいのですが、一般的な慢性便秘症に対してはヨーグルトを食べることによるビフィズス菌の摂取や、食物繊維を摂るなどすることで腸内環境が整い改善するということが分かっています。また野菜不足は大腸がんのリスクとも言われています。慢性便秘症で悩まれている大阪の皆様には、是非積極的な食物繊維の摂取を推奨したいです。
一方で過敏性腸症候群の患者さんでは、そのような食べ物がより病状悪化させる方向につながることもあります。もし便秘や下痢に良かれと思って食べたもので、逆に悪化したようなケースがあれば何か違う病気が隠れている可能性も考えましょう。
1日の平均排便回数は東京の方が多く・排便時間は大阪の方が長い!?
長時間の排便は痔などのリスクを高めると医師コメント
(結果)
・1日の平均排便回数の比較では、東京の方が排便回数が若干多いことが分かった。
・また、「トイレに入ってから排便が終わるまでにどのくらいの時間がかかるか」という質問から可視化した排便時間データを取得。1回の排便において大阪府の方が平均約28秒長く時間をかけていることが分かった。
(石井先生コメント)
排便の時間に関して言えば、2分以上いきむことで痔のリスクになるとも言われているため、お尻のためには排便時間が短い方が良いと考えています。
大阪の方はせっかちというイメージがありましたが、トイレは十分に時間を取る傾向にあるのは意外でした。回数や時間に関しては、おそらくこれも便秘で悩んでいるユーザーの偏りがそのまま結果に現れているのではないでしょうか。
日頃から家族や友人と「便」に関する話をする人は約6割
話す人の割合は大阪の方がやや多い傾向に
(結果)
・ウンログユーザーでは東京と大阪どちらも約6割の人が、日頃から家族や友人と便の話をしていることが分かった。
・数値を比較すると、大阪の方が「よく話す」「ときどき話す」と回答している人の割合がやや多い。
(石井先生コメント)
便についての話は、家族や親しい友人の間でも話しにくいテーマです。しかし、便は心身の健康状態を知るための重要な情報源です。
便の量や形状、においなどを日常的に観察することや便について気軽に相談できる環境を作ることによって健康の維持と増進につなげていきましょう。
書店に行った時に便意を催した経験がある人の割合は、
東京の方がやや多いということが分かった
(結果)
・書店で便意を催す現象は広く語られてきたが、実際に本調査では「書店に行った際に便意を催した経験があるか」という質問に対して、半数以上が「ある」と回答している。
(石井先生コメント)
書店で便意を催す理由には諸説あります。日本では1980年代から「青木まりこ現象」と命名され研究論文なども出ていますが、決着はついていません。
一般的に排便をする条件には副交感神経優位、つまりリラックスしている状態になる必要があり、本屋でリラックス出来る人がそういう現象を起こすのか。逆に過敏性腸症候群のような過緊張状態になることでも便意を催すこともあるので、学校の記憶などが呼び起こされ過緊張状態でトイレに行きたくなる人もいるのかもしれません。リラックスや過緊張状態など脳の状態が腸に影響することは「腸脳相関」と呼ばれ研究が進んでいたりします。どちらにせよ、本屋に入るときはトイレの位置を確認しておきましょう。
東京と大阪どちらも約半数が、
外出の際によく行く「行きつけのトイレ」が存在する
(結果)
・東京と大阪在住のユーザーの約半数が、外出の際によく使用するトイレ「行きつけのトイレ」があると回答。
・外出中にトイレに入った際のストレスとして「混んでいる」「トイレの便座が汚い」などが多く挙げられることから、比較的空いていて、清潔感があるトイレを選んで「行きつけ」にしているのではないかと考えられる。
(石井先生コメント)
便をするのは自宅や職場だけではありません。通勤・通学中など、特定のタイミングで便意を催しやすいという人も少なくないと思います。
また、私のように潰瘍性大腸炎などの持病がある場合には定期的にトイレに行く必要性があったり、比較的空いているトイレをチェックして、各駅に一つずつくらいはお気に入りトイレをつくっていました。
人工肛門の方はオストメイトを利用したり、子連れの場合には子供も一緒に入りやすいトイレを見つけておくなど、身体の状態やライフスタイルに応じてもお気に入りトイレのあり方は変わるのでしょうね。
便通に悩みを持つウンログユーザーでは
しっかりとうんちが出た時の幸福度が、推しのライブやイベントに
参加するときよりも高いことが判明
(結果)
・便通に悩みを持つウンログユーザーに対して、複数項目で幸福度に対して質問をしたところ、「しっかりとうんちが出た時」の幸福度は「好きな人と一緒にいる時」「推しのライブに参加する時」などの項目よりも高いことが分かった。
(石井先生コメント)
「すっきりとうんちができない」ということは非常にストレスになります。実際に、私の患者様の中にも、便秘や下痢などでストレスを抱えている方が多くいらっしゃいます。お看取りにもたくさん立ち会っていますが、最期の最期まで排便のことを訴えられる方もいるほどです。
調査の結果としても、便通に悩みを持っている方々にとって、「しっかりとうんちができる」ことの幸福度が高いことが伺えます。推し活を越えるとは思いませんでしたが、幸福度を高めるためにも、健康的な生活を通じて便秘がない状態をつくることが重要だと考えています。
考察
株式会社omniheal代表取締役社長/日本うんこ学会会長 石井洋介医師
※本件に関して取材・コメント可能
今回は日本の二大都市である東京と大阪のユーザーを対象に、居住地による腸内環境への意識、生活習慣による腸内環境の違いという観点で調査を行いました。
東京都と大阪府のユーザーの回答傾向が近いものも多かったですが、大きな差異もある点が興味深かったです。
興味深い差異として挙げられるのが、食文化習慣による便通への影響についてです。調査から、5人に1人が居住地の食事の傾向が便通に悪影響を及ぼしていると考えていることが分かりました。
また悪影響を及ぼしていると回答した人の中で、東京は「野菜不足」「コンビニ食の多さ」などが原因と捉えていて、大阪は「粉物が多い」「塩分が多い」「揚げ物が多い」などを挙げています。
医学的な見地から見ても、野菜の摂取量が不足し食物繊維が足りない場合には慢性便秘症につながりやすくなりますし、野菜不足は大腸がんのリスクとも言われています。
もし便通に課題感がある場合は、健康的な食生活を身につけることからはじめてみると良いですね。
一方で、共通項として興味深い結果が便通とQOL(クオリティオブライフ)の関係性です。便通に悩みを抱えている人においては、「好きな人」や「推し」よりも「スッキリうんちができること」を求めているということが調査から分かりました。
便秘や下痢は単なる便通の異常と捉えられがちですが、実は心身共に大きな影響を与えているのです。
腸内細菌のバランスは生活習慣や加齢などによって変化すると言われています。特に日本人に多くいるビフィズス菌は加齢によって減少していくことが知られています。
慢性的な便秘・下痢を改善して、QOLを高めるためにも、日々の生活の中でヨーグルトなどによる有用菌の摂取、有用菌のエサとなる食物繊維の摂取などを意識してみましょう。
▼石井洋介直伝!腸内環境を整える7つのステップ!
①食生活を見直す、野菜多め推奨
②暴飲暴食は禁止
③適度に運動をする、20分以上の有酸素運動を推奨
④しっかりと睡眠を取る
⑤タバコは吸わないし、お酒は適量までにする
⑥年齢とともに弱ることを自覚する
⑦便をみる習慣を見に付けて健康状態を意識する
【石井洋介氏プロフィール】
日本うんこ学会会長、 おうちの診療所中野 院長、株式会社omniheal代表取締役。
自身が病気のため19歳で大腸を失い、21歳より一念発起し高知大学医学部に入学。その後、消化器外科医として手術をこなす中で、大腸癌などの知識普及を目的としたスマホゲーム「うんコレ」の開発・監修、「日本うんこ学会」の設立を行う。
その後、厚生労働省医系技官などを経て、企業と協働でプロダクト作成やヘルスケアコミュニティSHIPの運営を行いながら、在宅診療を中心に病院の外の医療の拡充にフィールドを広げている。異能vation2019破壊的挑戦部門受賞。