最近よく考えていることがあります。AIが全てのインターフェースになったら、ウンログはどうなっているべきなのか。
ChatGPTに健康相談をすれば、パーソナライズされた的確な答えが返ってきます。Googleに聞けば情報は山ほど出てきます。わざわざアプリをダウンロードして、毎日記録をつける理由は何か。この問いに、私はまだ正解に辿り着けている自信はありません。
ウンログには10年以上記録を続けてくれているユーザーさんがいます。データが蓄積されると、自分のおなかのパターンが見えてきたり、傾向分析ができるようになり、過去のデータの価値が高まっていきます。使い続ける理由は、データが溜まるほど強くなります。でも、使い始める理由が弱いのです。排便日誌をDXしたい。便秘解消したい。腸活の効果をみたい。ここがまだまだ限定的で、私たちの大きな課題だと思っています。
一社では作れない価値
ウェルネスビジネスはこれから「バリューシェア」の時代に入る、という記事を読みました。顧客に生まれた価値を、関わったプレイヤー同士で設計して分かち合うという考え方です。
腸活でも同じことが起きていると思います。ユーザーのおなかの調子が良くなったとき、それはアプリだけの力ではありません。食品を作った人がいて、専門家のアドバイスがあって、記録をつける習慣があって、「私もそうだった」と言ってくれる仲間がいて。そういう接点が重なった結果として、ようやく行動が変わり、結果が変わります。
にもかかわらず、多くのサービスは「単独で売る」「単独で評価する」モデルのままです。読んでハッとしました。たしかに、ウンログも例外ではないなと。悩んでからすっきりされるまでのバリューチェーンをまだまだ設計しきれていません。つまり、使い始める理由を作るにも、アプリというツール単体だけでは作りきれなくなってきたのだと思います。
場所としての安心感
では何があれば、人は使い始めるのでしょうか。ポイント還元や便利な機能も大事ですが、それだけだとすぐに別のものに置き換えられてしまうリスクもあります。
私が最近考えているのは、「ここに来れば、自分のおなかのことがわかる」「同じ悩みや興味関心が近い仲間がいる」という居場所ではないかと。
自分に合う食品が見つかる。同じ悩みの人がどうしているか知れる。記録を続けることで、自分だけのパターンが見えてくる。一緒に悩みを考えてくれる仲間がいる。そういう場所を、食品メーカーや専門家やユーザー同士のコミュニティと一緒に育てていけたら、それが使い始める理由(もちろん続ける理由にも)になるのではないかと思っています。
正直、まだ道半ばどころか、ようやく課題が言葉になってきた段階です。でも、この問い引き続き向き合っていきたいと思っています。AIに置き換えられないものがあるとすれば、それはたぶん、人と人のつながりの中で育つ安心感なのだと思います。
今週のひとりごとでした。

田口のひとりごと
ヘルスケアマーケティングの現場から
ウンログ代表田口が、商談の現場で感じたことや、うまくいった/いかなかった話しを、少しだけ言葉にしてみるコラムです。
【田口 敬 プロフィール】
ウンログ株式会社 代表取締役。
マーケティングコンサル、新規事業立上げ、Webエンジニアを経験し、2012年にウンログアプリを個人開発しリリース。2013年にウンログ株式会社を設立。ユーザー起点のたのしくわかりやすいUI/UX開発と確かな腸活情報発信にこだわり120万DLを突破。現在まで300社以上の食品メーカーの腸活マーケティングを支援。


