プレバイオティクスとは、プロバイオティクスに続いて提唱されるようになった、腸内環境にまつわる考え方です。似た名前ですが、違いしっかり押さえておきましょう。この記事では、プレバイオティクスの定義や、当てはまる食品について解説します。
プレバイオティクスとは腸内細菌の良質なエサ
腸内で働く微生物、またその微生物を届ける食品のことを「プロバイオティクス」と呼びます。「プレバイオティクス」は、腸内環境を整え、こうした微生物を増殖させるような作用を持った食品の名前です。
「プレ」とは「前」を意味する言葉で、まずは腸内細菌のための最適な環境を整えるという考え方がプレバイオティクスです。腸内細菌が増えるためには、良質なエサが必要です。こうしたエサをたくさん腸に送り届けることで、腸内の微生物がよりよく活動できるようになります。
プレバイオティクスの条件
プレバイオティクスとなるための条件は、腸内細菌学会によって以下のように定められています。
1.消化管上部で加水分解、吸収されない。
2.大腸に共生する一種または限定された数の有益な細菌(ビフィズス菌等)の選択的な基3.質であり、それらの細菌の増殖を促進し、または代謝を活性化する。
3.大腸の腸内細菌叢(フローラ)を健康的な構成に都合の良いように改変できる。
4.宿主の健康に有益な全身的な効果を誘導する。
具体的にはオリゴ糖や、水溶性食物繊維がプレバイオティクスとされています。
https://bifidus-fund.jp/keyword/kw022.shtml
プレバイオティクスを含む食品
プレバイオティクスを含む食品のうち、日本で馴染み深い食品を5つピックアップしました。生活の中に取り入れて、腸内環境を整えましょう。
・大豆
大豆にはオリゴ糖が多く含まれています。また大豆は納豆や味噌など発酵させた食品も多く、大豆を原料とした発酵食品はプロバイオティクス食品としての性質も兼ね備えています。
・牛乳
牛乳には乳糖(フルクトース)が含まれることがよく知られていますが、ラクチュロースというオリゴ糖も多く含まれています。ただし乳糖不耐症といって、うまく乳糖を分解できない体質の人もいるため、自分の体質と相談が必要です。
・こんにゃく
こんにゃくの97%ほどは水分と言われていますが、残った部分の主成分は、グルコマンナンという水溶性食物繊維です。カロリーもほとんどないため、取り入れやすい食材といえるでしょう。
・ごぼう
ごぼうは、オリゴ糖と水溶性食物繊維の両方を含む食品です。特に食物繊維は皮の部分に多いので、皮は剥かずに食べるのがおすすめです。
・海藻類
海苔やワカメなどの海藻類には、水溶性食物繊維をたくさん含んでいます。料理では他の食材と組み合わせて使われることが多く、旨味を持ったものが多いので、海藻類を少し足すだけで手軽に食物繊維をプラスすることができます。
※エビデンスに乏しいので要チェック…
プロバイオティクスとプレバイオティクス、ふたつの違いを理解して、生活に取り入れてみましょう。また、このふたつを組み合わせて作られたのが、シンバイオティクスという考え方です。こちらもぜひ、チェックしてみてください。