腸活をおこなううえで重要なキーワードのひとつに「プロバイオティクス」があります。この記事では、プロバイオティクスの定義や、当てはまる食品について紹介します。
プロバイオティクスとは腸で働く有用菌
プロバイオティクスは、私たちの腸内で有益に働く微生物やそれらを利用した食品素材や製品のことです。腸内に入ることで腸内細菌のバランスを整えて、腸内環境を良好にします。
プロバイオティクス、という言葉を聞いたことがなくとも「抗生物質」という言葉は聞いたことがあるのではないでしょうか。
抗生物質とは、微生物の働きを抑制する物質のことです。英語では「アンチバイオティクス」と呼ばれます。人体に有害な微生物に対抗できる素晴らしい物質で医薬品にも応用されていますが、有益に働く微生物にまで影響を与えてしまうという副作用もあります。
そこで出てきたのが「微生物と共生するという意味のプロバイオティクスです。「共生」という意味の「プロバイオーシス」が語源となっていて、体によい影響を与える微生物、またこうした微生物を腸内に届ける食品などのことをそう呼びます。
微生物を敵と考えるのではなく、共に生きていく存在と捉えるのが、プロバイオティクスの概念なのです。
プロバイオティクスの条件
なにが体によい微生物でなにがそうでないのかを決めることは、簡単ではありません。正式にプロバイオティクスに指定されるためには、腸内細菌学会が決めた次の条件を満たしていることが必要になります。科学的にプロバイオティクスであることが確認できているものを取り入れるようにしましょう。
1.安全性が保証されている
2.もともと宿主の腸内フローラの一員である
3.胃液、胆汁などに耐えて生きたまま腸に到達できる
4.下部消化管で増殖可能である
5.宿主に対して明らかな有用効果を発揮できる
6.食品などの形態で有効な菌数が維持できる
7.安価かつ容易に取り扱える
プロバイオティクスの条件には「胃液、胆汁などに耐えて生きたまま腸に到達できる」があります。しかし、ほとんどの微生物は胃液によって殺菌されてしまいます。胃は口から侵入した有害菌を殺菌したり、有害物質を分解したり、強力な胃液で私たちの体を守る役割が与えられているためです。近年の研究では、胃液で殺菌されてしまった微生物の菌体も腸内環境を改善する効果があることがわかっています。生きたまま腸へ届く有用菌にこだわりすぎず、菌そのものを取り入れることを意識すると良いでしょう。
https://bifidus-fund.jp/keyword/kw030.shtml
プロバイオティクスを含む5つの食品
プロバイオティクスを取り入れるために、発酵食品を毎日の食事に取り入れるようにしましょう。発酵食品は、微生物の力によって作られたプロバイオティクスの代表です。
ヨーグルト
ヨーグルトはプロバイオティクス食品の代表格です。ヨーグルトは生乳を乳酸菌やビフィズス菌で発酵することで作られます。朝食のイメージが強いですが、おやつとして食べることも料理に応用することもできる万能選手です。
味噌
和食には欠かせない調味料である味噌もには、乳酸菌によって発酵しますが含まれています。他にもキムチやチーズなども、乳酸菌を含む食品の代表です。
塩麹
万能調味料とも呼ばれることのある塩麹は、その名前名からわかるように麹菌を利用した発酵食品です。他に甘酒なども麹菌を利用しています。
ぬか漬け
ぬか漬けは、乳酸菌や酪酸菌が豊富に含まれる食品です。自分でぬか床を作るのはなかなか大変ですが、買ってきたぬか漬けにもこうした微生物は含まれています。
納豆
言わずと知れた、納豆菌を使った大豆の発酵食品です。大豆そのものにも食物繊維が含まれており、腸にとってとてもいい食品です。
プロバイオティクスは、プレバイオティクスと組み合わせることでより効果的に取り入れることができます。こちらもチェックして、健康に役立ててくださいね。