今週はヘルスケア事業について話す機会がありました。その中で、
「ヘルスケアサービス事業を始める会社は、だいたい幻想をもっていることが多いのでは」
という話がありました。ああ、とうなづいてしまいました。
ヘルスケア領域で新しいサービスや事業を考えると、計画段階では美しいストーリーが描けます。健康課題があって、これから増えていく見通し。ソリューションが提供できる。ユーザーが改善を実感して定着する。ロジックは正しいし、市場データも根拠もある。なのに、実際に走り始めると計画通りにはいかないものです。
ユーザーの反応が想定と違ったり、刺さると思ったメッセージが響かなかったり。他社と比較し始めて、自分たちの立ち位置が分からなくなることもあります。ヘルスケアに関わる方なら、一度はこういう経験があるのではないでしょうか。
地道にしか、伸びない
短期で収益化できる事業計画を描きたくなる気持ちは、よく分かります。でも、ヘルスケア領域で急激に伸びるサービスを、私はほとんど見たことがありません。この領域は、腰を据えて地道に伸ばしていくしかないと経験的に感じています。
今週も何社か議論をしましたが、短期の売り上げばかり追い求めると、すぐに行き詰まるものです。そして、その多くがサービス終了という道を辿っていきます。とても残念です。
逆に、一見面倒だったり非効率に見えることのほうが、あとから効いてくることも多いです。少人数のコアなユーザーと丁寧に向き合うこと。エビデンスを一つずつ積み上げること。情報発信を続けていくこと。こういう地道な仕事は、事業計画書では効果を表現することが難しいです。でも振り返ると、サービスが伸びた要因になっていることが多かったです。
ずっと修正し続ける
ウンログでも新しい事業の方向性を考えて、仮説を立てて検証していく。これをずっとしています。実際にユーザーに聞いてみると、新たな発見が多く方向を修正する。そんなことを繰り返しています。
今やっていることが、自社よりも得意な会社がいれば、潔くやめるようにしています。
今、社会に必要とされていることは何か?それを見極めるには、社会と接点を持ち続けて、できることを探して、磨いていくという作業を続けることなのかなと思っています。
最初から「これで行ける」という幻想を持たない。そのかわりに、地道な作業を続けながら、少しずつ自分たちの形を見つけていく。美しい事業計画書より、地道な作業のほうが、この領域では頼りになると思っています。同じように腰を据えて取り組んでいる方がいたら、お互いの地道さを持ち寄りながら、一緒にこの領域を育てていけたらうれしいです。
今週のひとりごとでした。

田口のひとりごと
ヘルスケアマーケティングの現場から
ウンログ代表田口が、商談の現場で感じたことや、うまくいった/いかなかった話しを、少しだけ言葉にしてみるコラムです。
【田口 敬 プロフィール】
ウンログ株式会社 代表取締役。
マーケティングコンサル、新規事業立上げ、Webエンジニアを経験し、2012年にウンログアプリを個人開発しリリース。2013年にウンログ株式会社を設立。ユーザー起点のたのしくわかりやすいUI/UX開発と確かな腸活情報発信にこだわり120万DLを突破。現在まで300社以上の食品メーカーの腸活マーケティングを支援。



