市場は、待っていても広がらない
新規事業を担当している方と話すと、よく同じ悩みにぶつかります。
「市場がまだ小さい」「関心のある人は、取り合いになってる」。既存の顕在層をどれだけ取り切っても、そこから先が伸びない。だとしたら、市場そのものを自分で広げるしかない。これは、新規事業の大変で、本質的な仕事だと思います。
ヘルスケアやウェルネスは、とくにここが難しいように思います。
「今すぐ困っている」人はターゲットになります。ただ、数が多くないことと、そういう人は薬に頼ることもあるため、まさに取り合いが起きています。
「なんとなく不調」の人たちは、数多くいると考えられますが、まだ自分ごと化してないことが多く「これは自分に関係あるかも」と気づいてもらう必要があります。
市場を広げるというのは、この気づきを増やしていくことなのだと思います。
その気づきの入口が、変わってきた
最近考えているのは、この「気づきの入口」が、検索からAIに移りつつある、ということです。
これまで生活者は、体の不調を感じると、まずは検索していました。でもこれからは、AIに話しかけるようになっていきます。最初の相談相手が、検索からAIになる。そうなると、そのAIが何を参照して答えるのかが、市場を広げるうえでの勝負どころになってきます。
AIに、正しく拾われる準備
AIでは、今の所、広告は出てきません。専門家の発信や、きちんとした調査、信頼できる記事を参照して答えようとします。
だとすると、これからの市場開発は、AIに正しく拾われる健康情報の中に、自社の商品をつなげていく作業なのかもしれません。
自分たちの扱う商品や成分が、生活者の悩みと結びついた形で、正確に語られている状態をつくっておく。そこがあってはじめて、AIも「その悩みなら、こういう選択肢がありますよ」と答えられます。市場の入口をつくる仕事は、たぶんここに移っていきます。
地道な作業の継続がチカラなり?
偉そうに書きましたが、AI相談という新しい行動変容に、どう最適化すればいいのか、その正解の型を持っているわけではありません。私たちウンログも、新規事業として同じ問いの前に立っています。
ただ、ひとつだけ、今のところ強く思っていることがあります。結局は、地道に良質なコンテンツを発信し続けることが、いちばん効くんじゃないか、ということです。
生活者の悩みに、正確に、誠実に応える情報を、こつこつ積み上げていく。それがそのまま、AIに正しく拾われる情報になり、市場を広げる土台にもなっていく。
広告のような即効性はなく、地道で時間もかかります。そこに投資すると決めるのは、企業としては判断の難しいところだと思います。それでも、積み上げた情報は着実に資産になり、AIとの接点も増えていきます。
とはいえ、この地道な作業を、社内だけで抱えて続けるのは簡単ではありません。何を、どんな形で発信すれば、AIにも生活者にも正しく伝わるのか。そこは、私たちウンログがメディアを運営しながらずっと向き合ってきたところでもあります。もし同じ課題を持つ方がいたら、市場のつくり方を一緒に考える相手として、気軽に壁打ちから声をかけてもらえたらうれしいです。
今週のひとりごとでした。

田口のひとりごと
ヘルスケアマーケティングの現場から
ウンログ代表田口が、商談の現場で感じたことや、うまくいった/いかなかった話しを、少しだけ言葉にしてみるコラムです。
【田口 敬 プロフィール】
ウンログ株式会社 代表取締役。
マーケティングコンサル、新規事業立上げ、Webエンジニアを経験し、2012年にウンログアプリを個人開発しリリース。2013年にウンログ株式会社を設立。ユーザー起点のたのしくわかりやすいUI/UX開発と確かな腸活情報発信にこだわり120万DLを突破。現在まで300社以上の食品メーカーの腸活マーケティングを支援。



